トレンド中の短いローソク、それの意味するものとは？

更新：2018年10月23日

こんにちは、ミウラです！

酒田五法のうち、三兵や三空のバイナリーにおける活用法を紹介しましたが、

このほかにも酒田五法には、三山、山川、三法といった基本形があります！（注1）

三山、山川は、これまでの三兵、三空と同様に相場の天井や底を示すサインであるのに対して、少し特殊なのが三法です。

三法はいわば、相場の「お休み」をローソク足から読み取ろうとする解釈法です。（注2）

今回はこの三法について、バイナリーへの応用の可能性を探っていきます。

トレンドの最中に発生する足踏み状態が何を意味するのか、

そこからどのように相場の方向性を読み取ればいいのか、

それを教えてくれる解釈法なので、ローソク足の読み取りにおおいに活躍してくれることでしょう。

目次

• 上げ三法と下げ三法
• バイナリーに活用するポイント
• 実戦でのケース
• 判断が別れるポイント
• 1本待つか、3本待つか

〇　上げ三法と下げ三法

三法は、下げ三法と上げ三法に分類されます。

下げ三法は、下げトレンド中に出現する短い陽線や陰線が3つ続く状態です。

上げ三法の場合は、上昇トレンド中に短い陽線や陰線が3本連続します。

この三法が出現したのちは、トレンド方向への動きがふたたび現れるとされています。


これは典型的な下げ三法ですね。

3本の短い陽線のあとに、また下落が再開しています。

弓を引き絞ったり、助走をつけるために少し後ろに下がるイメージでしょうか。

株やFXの押し目買い、戻り売りも、この三法を利用した手法とも言えますね。

〇　バイナリーに活用するポイント

この三法をどのようにバイナリーに活用していくかということですが、

重要なポイントは、「ローソク足3本ぶんお休みする」ということです。


画像の場面では、下げトレンドでLow攻めを行うべきところです。

しかし、ボリンジャーバンドとシグナルの交差により、

一時的に上昇に転じる可能性が高いと読み取れます。

そして、実際にそこから陽線と十字線が4連続。

5戦限定法で3連敗する可能性のある危険な場面です。

こんなとき、ボリバンとシグナルのクロスを見て、陽線が出たら、

ローソク足3つぶん、トレードをストップします。

そうすることで危険な連続陽線4本のうち、3本までをスルーできます。

ボリバンとシグナルの交差による逆方向の動きが落ち着くまでがローソク3本ぶん。

その後にトレンドが再開すると見越して、トレードを再開する、というように使うのです。

〇　実戦でのケース

では、実戦ではどのようなトレードになるのかを見ていきましょう。


MACDが上昇に転じたため、Highの5戦限定法でトレードを開始しようかという場面です。

ところが、ボリンジャーバンドとシグナル（25分線と200分線の両方）がクロスし、

一時的に下げ圧力が強まりそうです。

そこで陰線が出てから3本待機して、そこからトレードをスタートします。


陰線が3本連続しました。

下げ圧力が強まるという読みは正解だったようです。

ここからの解釈は、三法に忠実であるならトレード中止です。

しかし、下げが強烈なため、一時的な戻しの上げにも期待して、Highで攻めてみます。


結果は3戦目のみの勝ちとなりました。

利益は出ていますが、1戦目、2戦目と負けているのでリターン少なめです。


トレードを行ったのは、四角で囲った部分になります。

どちらかといえば、前回の三空叩き込みで勝負したほうが利益は大きかったですね。

ただ、High攻めの最中に陰線5連続という負け確定の場面を回避できているので、

トータルの収支プラスには大きく貢献できているとは思います。

〇　判断が別れるポイント

先ほど、三法に忠実であるならば、トレードは中止する場面だと書きました。

その理由ですが、


正確に言うと三法では、

休止の3本のローソク足はその前の陽線や陰線の長さのうちに収まらないといけないのです。（注3）

お休みということは短い陽線や陰線でなくてはならず、その目安が直前の陽線や陰線の長さなんですね。

さらに言うと、3本お休みのあと、それまでの安値や高値を更新する陰線、陽線が出て、トレンドを再確認し、

そこからトレードを行います。


ところが先ほどのバイナリーのトレードをした場面では、

それまでの安値レンジを明確に割り込んでいます。

厳密にこれはとても三法とは言えない状況であり、

むしろトレンドが変わったと解釈しても不思議ではありません。

したがって、このときにバイナリーで活用した考え方は、

「ローソク足3本ぶんでひとつの動きが一段落する」という部分のみ、ということになりますね。



実際にその後、さらに5連続陰線が出ています。

これも3本お休みや三空叩き込みで対処すれば勝てている場面ではありますが、

より慎重にいくならば、トレードを控えるべき場面、ということになるでしょう。

〇　1本待つか、3本待つか

今回、ボリバンとシグナルの交差を見て、ローソク足3本ぶん待機することを紹介しました。

以前の記事をお読みの方には気づかれた方もおられるかもしれませんが、

同じサインでローソク足1本だけ待つ、という方法を紹介したことがあります。

ただ、この1本と3本の違いはかなり大きいです。

1本待ちの場合、

今の流れの勢いでそのまま勝ってしまいたい、というときに選択するイメージになります。

トレンドがかなり強いと感じるときは、こちらを選択してもよいでしょう。

一方、3本待ちは、いまの反転する流れが一段落するまで待とう、というイメージです。

三法の形が崩れたときにトレードを中止できることも含めて、

様子見をしながら慎重に行きたいときに向いています。

どちらかといえば、後者は安全策ですから、そのときの攻めの姿勢に応じて使い分けていきましょう。

■■■■脚注■■■■

（注1）酒田五法（さかたごほう）（マネックス証券）
（注2）酒田五法＆篠原レシオ（外為オンライン）
（注3）来週は「下げ三法」の形成に注意（楽天証券）