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実戦ではじめて明らかになる「平均線が確定しない問題」とは?

更新:2018年02月12日

こんにちは、ミウラです!

ここまで移動平均線をサポート、レジスタンスに利用する方法を

オススメしてきました!(注1

自分でラインを引く必要がなく、自動生成されるトレンドラインなので便利だ、

というのが大きな理由ですが、

この方法にはひとつ大きな弱点があります・・・

いざ、トレードを開始するとすぐに気付くポイントなのですが、

過去チャートを眺めているときは意外と見落としてしまう欠点です。

今回はその欠点と対処法についてお話します。


目次

〇 平均線が確定しない問題

その弱点とは、「平均線が確定しない問題」です。

これだけだと「なんのこっちゃ?」という感じなので、画像を見てみましょう。



1分チャートに

終値を採用した5分EMA(指数平滑移動平均線)
を表示しています。

最新のローソク足が出た瞬間と

そのローソク足のかたちが最終的に確定した瞬間では、

移動平均線の傾きが違っているのがおわかりいただけるでしょうか。

移動平均線は最新のローソク足のパラメータも含めて計算されます。(注2

したがって、最新のローソク足のかたちが変化すれば、

最新の移動平均線の傾きも変わってしまうのです。


例えば、一般的な終値移動平均線では、

そのローソク足の終値が決定するまで変化しつづけます。

ローソク足が確定する寸前に終値がぐっと下落すれば、

最新の移動平均線の傾きも一気にきつくなります。


特に5分線では計算で合計されるレートが5つしかないため、

直近の動きの影響がとても大きくなってしまいます。

〇 実際にトレードしてみると・・・

この最新の移動平均線が確定せず、変化し続けてしまう問題は、

いざ、トレードするときに大きなさまたげになります。

ミウラがオススメする買い方は、

上昇トレンドならば、ローソクが移動平均線のところまで垂れてきて、

接触した瞬間にhighで買う、
というものです。(注3

しかし、実際には、ローソクが垂れてくると、

終値平均線の場合は、

平均線がローソクから遠ざかるように下がってしまうのです。



ですが、そのあとレートが上昇すると、ローソク足の終値も高い位置に変化し、

移動平均線の傾きも上がっていきます。



上がっていった移動平均線は、ローソク足の下部と見事に接触。

見守っているときにはまるでエントリーのチャンスはなくとも、

終わってみれば、

まるで移動平均線が

サポートとして機能したかのような外見になるのです。


〇 対処法

この現象は、過去チャートの検証の際には現れてこないため、

実践を通じて対処法を確立するしかありません。

自動で引いてくれる

サポートライン、レジスタンスラインとしての移動平均線の

大きな弱点
といえます。

解決法はいろいろありますが、主なものとしては

[1] ひとつ前の平均線の傾きを利用する

[2] turbo3分に目を向ける

[3] 始値平均線を使う


といったものが挙げられます。

〇 ひとつ前の平均線の傾きを利用する

もっとも簡単な対処法は、ひとつ前の平均線の傾きをそのまま延長して使う、

という方法です。



このように

延長した傾きで描いたラインをサポート(レジスタンス)として使い、

ローソク足と接触した時点で問答無用で買う、
という方法になります。

最新のローソク足の動きを無視することになりますが、

トレンド発生中は

それほど極端に傾きが変化することは少ないだろうという前提で、

擬似的に最新の平均線を確定させて使用します。



ただ、その極端な変化が起きたときは、

このようにかなり不利な位置でエントリーしてしまうことになります。

トレンドの出始めなど、勢いがあるときに使うと良いでしょう。

〇 turbo3分に目を向ける




これまではハイローオーストラリアのturbo1分トレードを念頭において

解説をしてきたのですが、

あえて3分のほうを選んでみる、というのもひとつの解決法です。



上昇トレンドにおいては、大抵このように3分後の位置は上昇しています。

1分トレードでは満期までが早いため、

上昇トレンドでも不利な位置でエントリーすると

負けになることがあります。


そこで長めの3分を選択し、

確実に勝ちを拾っていこうというわけです。


3分トレードなら、多少エントリーの位置がいい加減でもなんとかなります。

先に紹介した、最新ひとつ手前の平均線の傾きを延長する手法は、

エントリー位置が不利になりやすいので、

この3分トレードと組み合わせると不利な部分をカバーしやすくなります。

ただし、3分は1分トレードの3倍の時間がかかるため、

トレードを高速回転させて手数で連勝を狙う、

という手法とは相性が良くないです。


トレンドが変化するまでにエントリーできるチャンスはせいぜい1回か2回なので、

高い精度で単発狙いをしていきたい人に向いています。



なお、5分もありますが、

ここまで期間が長くなると

1分足チャートでの分析では手に余る部分があります。

5分足チャートの分析をせねばならず、

1分の場合とはトレードの手法も感覚も大幅に異なるので、

3分を選択しておくのが無難でしょう。

〇 始値平均線にはこの問題が発生しない

平均線が確定しないのは、

ローソク足が確定するまで平均線の計算に用いられるパラメータが変化するからです。


一般的な平均線で用いられる終値はもちろん、

高値や安値の平均線も同じ性質を持っています。

が、ひとつだけ例外となる移動平均線があります。

それが始値平均線です。

始値は最新のローソク足が形成された時点で確定します。

そのあと、どう動こうが始値は変化しないので、始値平均線も変化しません。

したがって、他の平均線とは違って、完全固定となります。



このようにローソク足の形状によって変化することのない始値平均線を

サポート、レジスタンスとして使用します。


ほかの平均線にくらべて、

エントリーのポイントはわずかに少なめになってしまうこともありますが、

最新のローソク足の動きに惑わされず、

安定したトレードができることがメリットです。

〇 理論の実践には小技も必要

綿密なチャート分析から編み出された手法も、

実践では思ったように使えないということはよくあります。

理論を実践で使用するには、

その間の溝を埋めるためのテクニックが必要なのです。

こうした小技を生み出すには、

やはり実際にトレードを重ねて研究するしかありません。


「習うより慣れろ」なんて言葉がありますが、

それはバイナリーオプションにもしっかりとあてはまるのです。

■■■■脚注■■■■

(注1)佐藤光の「テクニカル分析」講座 トレンドラインとしての移動平均線 (大和証券)
(注2)外為オンライン特別講座 第23回 移動平均線、グランビルの法則 (外為オンライン)
(注3)YJFX!虎の巻5 「移動平均線を用いた押し目買い」 (YJFX!)

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