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移動平均線が物足りない人に!ボリンジャーバンドの使い方は?
更新:2018年07月05日
こんにちは、ミウラです!
移動平均線と同じくらいメジャーなインジケータといえば、
ボリンジャーバンドじゃないでしょうか!
ボリンジャーバンドは見た目で使い方がわかりやすいので、
もしかすると移動平均線より先にボリンジャーバンドから使い始めた、
という人もいるかもしれませんね!
ただ、ミウラ的には、ボリンジャーバンドは移動平均線をさらに応用したもの、
移動平均線の延長上にあるもの、というイメージが強いです。
「先に移動平均線に慣れておけ!」というのも、
移動平均線を使った経験があれば、
ボリンジャーバンドもすんなり使いこなせるようになるからですね。
そこで今回は、
移動平均線的な視点から、
ボリンジャーバンドの使い方を見ていきましょう。
使いこなせれば、
移動平均線と同じく、強力なパートナーになってくれるでしょう!
目次
〇 ボリンジャーバンドとは
多くの投資家が採用しているテクニカルの一つにボリンジャーバンドがあります。
ボリンジャーバンド(Bollinger band)とは、
1980年ごろにジョン・ボリンジャーによって開発されたトレンド分析手法です。
ベースになるのは移動平均線です。
それはボリンジャーバンドが移動平均線をもとに描かれているからです。(
注1)
移動平均線の状態から次の値動きを予測するのがボリンジャーバンドになります。
ボリンジャーバンドは
「標準偏差」と言われる確率手法を使ったチャートです。
〇 標準偏差(σ:シグマ)って何?
標準偏差(σ:シグマ)を高校の成績で決まる「偏差値」で説明します。
高校の全国テストの結果が、全国平均の成績であった場合「偏差値は50」です。
この値はボリンジャーバンドで言うと「移動平均線」と同じ意味合いです。
偏差値が高くなるほど人数が減ります。
東京大学に入れる人が偏差値90だとすると、人数が全国の高校生のごくわずかになります。
逆に低い方の偏差値10というのも稀な存在です。
受験勉強やる気なかったり、テストの答案を白紙で出したりする人などが該当するでしょう。
普通に受験勉強をしていれば普通の50に近づくはずです。
50に近いほど、同じような成績である人が多いのです。
このように、中心の50の人数が多く、
最大値の100・最小値の0に近づくほど
該当する人数が少なくなるような分布のことを「正規分布」と言い、
中心に山を形成するチャートになります。
〇 標準偏差で見る確率
標準偏差というのは、一定の確率の範囲を示した値です。
具体的には
±1σに入る確率は68%になります。
σが大きくなるほど、山の裾野つまり該当する人間が少なくなるところも含みます。
±2σに入る確率は95%、
±3σに入る98%です。
成績が非常にばらつき、正規分布の山が低く裾野が広くなった場合、
±1σに入る範囲が広くなってしまいます。
つまり、σの広がりは値のばらつきの大きさを示しており、
値が大きく動く可能性があることを示唆しています。
ボリンジャーバンドは、移動平均線に加えてこの±1σ、±2σ、±3σの3本の線を加えたものを指します。
このσの中に後時間の値段が入る確率が各々先ほど示した確率だと言うことです。
±3σのボリンジャーバンドライン外に出る確率は0.27%とかなり小さくなります。
通常、20日単純移動平均線を中心に、
上下に標準偏差にもとづいたバンドを描きます。
標準偏差プラスマイナス1αのバンド内にレートがおさまる確率は68%、
2αは95%、3αは98%となります。
よって、
2αに到達したローソク足が、それ以上に上がる確率は低い、
と考えてlowで購入、といった使い方をします。
〇 ボリンジャーバンドの動きでわかること
このようにボリンジャーバンドは値動き予測に使われますが、
ボリンジャーバンドの動きから現在の相場状態がわかります。
・ スクイーズ
スクイーズとは「ぐしゃっと潰す」と言ったニュアンスです。
ボリンジャーバンドが収束した状態が続くことを指しています。
言い換えれば
「レンジ相場」です。
レンジ相場でも値動きが小さくなるほど、どんどんスクイーズしていきます。
スクイーズが長いほど、次のトレンド転換への反動が大きくなると言われています。
じっと耐えてその後ドカンと動く可能性が高いのです。
・ エクスパンション
エクスパンションは「拡大」と言う意味です。
ボリンジャーバンドが上下に大きく開いた状態です。
ただし、単にバンドが広くなっただけではエクスパンションとは言いません。
値動き側だけでなく反対側のバンドも大きく開くことを言います。
大きく値動きがあり、勢いのあるトレンドの時に見られます。
またボラティリティが大きいことも意味しています。
・ バンドウォーク
バンドウォークとは、
エクスパンションのあとの値動きがボリンジャーバンド上を推移している状態を言います。
この状態が最もトレンドがわかりやすく、エントリーしやすい状態と言われています。
〇 使い方は移動平均線と同じ
これまで移動平均線をサポートやレジスタンスとして使用してきましたが、
ボリンジャーバンドの場合も使い方は変わりません。
前述した通りバンド内に入る確率が高くバンドの外に出る確率が低いために、
バンドに値が近づいた時「反発しやすくなる」と言うことを意味しています。
例えば、エクスパンション後に上昇トレンドとなり、ローソク足がバンドウォークしている場合、
バンドに値が近づいた時に逆張りの「売り」をします。
その後、移動平均線に値が近づいた時に「買い」の押し目となります。
このように、ボリンジャーバンドの変化を観察し、
「逆張りのシグナル」と「押し目のシグナル」を効率よく取得することで
勝率をアップさせることが可能になります。
下の例で見てみましょう。
レンジ相場なら、ボリンジャーバンドのバンド上限はレジスタンス、
バンド下限はサポートとして機能します。(
注2)
この場合は、
逆張りで買っていくことになります。
また、バンドを上や下に突き抜けた場合はブレイクとなり、
そこからトレンドが発生したと判断できます。
このケースでは、
順張りでトレンドに沿って買っていく、という運用法になります。
この場合、
プラスマイナス1α、2αのバンドがサポートやレジスタンスとして機能します。
ボリンジャーバンドは画像からもわかるように、
エントリーのチャンスが豊富にあることが特徴です。
移動平均線でも高値や安値の平均線を同時に表示して、
バンドのように扱うことができましたが、
パラメータの設定など自分で平均線を組み合わせることが必要でした。
その点、ボリンジャーバンドは、
いくつもの平均線を組み合わせたような複雑なインジケータを
誰でもお手軽に運用できるという利点があります。
3αまで表示すれば、
実に7本の平均線を組み合わせたかのようなインジケータになります。
〇 順張り?逆張り?
ボリンジャーバンドを順張りで使うのか、
逆張りで使うのかについては議論があるところです。
というのも、ボリンジャーバンドの考案者が、順張りで使うことを推奨しているからです。(
注3)
ただ、ハイローオーストラリアの1分turboのような短期間取引は、
長期にわたる株取引などとは性質が異なります。
順張りで使うのか、
逆張りで使うのかは
ケースバイケースで柔軟に選択すればよいでしょう。
ミウラの経験上は、
1分~5分までのスパンなら逆張り、
それ以上の長さなら順張りが有効に機能すると考えています。
短時間ならば、
トレンドに反する相場の押しや戻りをキャッチすることもできるからです。
ただ、例外的なのが30秒で、こちらは順張り推奨です。
30秒はあまりに短期すぎるため、
相場の反転を期待する逆張りは失敗しやすいです。
素直にブレイク時のみを狙って仕掛けていきましょう。
〇 バンドのスクイーズとエキスパンドに注目しよう
ボリンジャーバンドのもうひとつの強みは、
相場の値動きの勢いを簡単に把握できる点にあります。
相場に勢いがなくなると、バンドは縮小(スクイーズ)し、
動き出すにつれてバンドは拡大(エキスパンド)していきます。
バンドが拡大し始めたときが、トレンド発生の可能性が高く、
エントリーのチャンスだといえます。
相場はこの拡大と縮小を繰り返して動いていくのですが、
相場が動き出してエントリーのチャンスがきたということを把握しやすいのも
ボリンジャーバンドの利点なのです。(
注4)
〇 具体的な運用法
では、具体的にハイローオーストラリアの1分トレードを念頭に置いて、
どう運用するのかを見ていきましょう。
パラメータですが、まずは平均線と同じ
5分線が候補です。
この場合、これまでの移動平均線の組み合わせのように、
比較的狭いバンドで運用することになります。
表示するバンドは1αと2αでよいでしょう。
3αはあまり出番がないわりにチャートが見づらくなってしまうので外しています。
バンド幅が狭いため、上下のバンドをサポート、レジスタンスにして、
単純に逆張りしていく使い方ができます。
逆張りメインなのでトレンドが強くない相場が向いているでしょう。
動きに乏しい日本時間のドル円などに適しています。
標準的な20分線では、バンドの幅が拡大しすぎるため、
エントリーのチャンスは少なめになります。
5分線バージョンにくらべてチャートが見やすいことが最大の利点でしょう。
20分線で狙いたいのはバンドウォークと呼ばれる動き。
プラスマイナス1α、2αのバンドの内部にとどまりながら、
上や下へとゆるやかに推移する動きです。
プラスマイナス1αのバンドをサポートやレジスタンスにして、連勝を狙うことができます。
〇 厳密には正しくない(議論の余地がある)インジケータであることには注意
このボリンジャーバンドは
統計の正規分布の考え方をもとに考案されたものです。
過去チャートを検証してもかなり有効に機能しているインジケータなのですが、
注意点もあります。
正規分布は独立した事象(出来事)のばらつき具合を示しており、
為替相場に応用する場合、
その事象とはレートのことを指します。
が、
そのレートはそれぞれ独立しているというわけではなく、
連続性があり、偏りが発生します。
厳密にいえば正規分布の考え方は為替相場に持ち込めないはずです。
一方で、変動要因が多すぎる相場の完全予測は不可能であり、
相場の動きは過去の相場となんの関連性もない、
とするランダムウォークという考え方もあり、
それがボリンジャーバンドが為替相場でも有効である
という考え方に結びついています。(
注5)
ボリンジャーバンドが使える、使えない、
といったことに直接結びつく議論ではないですが、
ボリンジャーバンドが他のテクニカルとは少し違ったアプローチで考案されていることを知っておくと、
他のテクニカルとの組み合わせ方のヒントになるでしょう。
〇 まとめ
ボリンジャーバンドは標準偏差を基にしたチャートです。
バンド内に入る確率の高さを利用して、「逆張りシグナル」「押し目シグナル」を得ることが可能です。
ビジュアル的にも分かりやすく、
エクスパンションからバンドウォークに移行したのが初心者でもすぐ検知できます。
ボリンジャーバンドを表示させて、勝率アップを目指していきましょう。
■■■■脚注■■■■
(注1)証券用語解説集 ボリンジャーバンド (野村證券)
(注2)【2】ボリンジャーバンドとポイント (ヒロセ通商)
(注3)ボリンジャー・バンド 考え方 (マネーパートナーズ)
(注4)第2回 ボリンジャーバンド MACD バンドの拡大を狙った順張りの2つの手法 (外為オンライン)
(注5)証券用語解説集 ランダム・ウォーク (野村證券)