Home »
攻略法 » 「エリオット波動論」の間違いを正して、スッキリ覚えよう
「エリオット波動論」の間違いを正して、スッキリ覚えよう
更新:2020年07月08日
こんにちは、NTAA認定テクニカルアナリストの管理人です!
「エリオット波動」について解説したいのですが、
難解で敷居が高いイメージはハッキリ言って管理人も持っています(笑)!
でも、ダウ理論を補足する気持ちも持っていた作者のR・N・エリオットさんは、
相場というものをものすごーくシンプルに説明しようとしていたのです。
今回は、そんなエリオットさんの気持ちを伝えるべく、できるだけシンプルにお話する予定です。
目次
〇 まず「エリオット波動論」の核になる法則から
アナリストの方がエリオット波動をチャートに示してお話してると、
「とてもこんなの理解できる日は来ないだろう」と思ってしまいます。
でもじっくり見ると「ダウ理論」をはじめとしたチャートの読み方の基本と
矛盾なく合理的なことがわかります。
それでは、「エリオット波動論」の中心的な考え、核になる法則を以下に書きます。
ちなみにこの理論も株式市場のために作られました。
・株式市場は、5つの上昇波とそれに続く3つの下降波でリズムを作り、反復を繰り返す
・別のいいかたをすると、1つのサイクルの中に8つの波があるということ
基本法則はこれだけで、
第1波、第2波…、そしてA波、B波…、のイメージは図のとおりです。
ここで
「それはいいけど、実際のチャートにどう1波とかA波とかラインを引くの?引き方も使い方もわからない!」
と誰しも思います。
管理人はいまだに思っています。
が、意味を見れば初心者なりに引けるようになりますので、
一つ一つの波の意味を見てみましょう。
「ダウ理論」でみた市場心理と一致するのもとても面白いですよ。
※エリオット波動(テクニカルアナリスト協会)(
注1)
〇 5つの上昇波のかんたんな意味
どんどん意味を見ていきましょう。
第1波から、トレンドの上昇がはじまります。
株式の日足をイメージしてください。
第1波:第1波の最初のころ(半分くらい)は、根固めの段階です。
なので前の下降の波の反発と見分けがつきません。
5つの波のうち一番短いのが基本。
ただし、それまでレンジが長く続いていたりするとそのぶん力強く長く続くことがある。
第2波:第1波の戻しで一時的に下降する。
この戻りが少しなら、次からの波で三尊などの形を作る可能性が出てくる。
第3波:第3波は、5つの波の中で一番長いとされている。
ファンダメンタルズが良くて一般投資家も多く集まっている状態。
第4波:第3波の戻し。
第4波の底は必ず第1波の頂上よりも上になる。
この原則に当てはまらないとダメ。
第5波:最後の段階で、買い遅れた投資家が高値掴みをしはじめる段階。
RSIなどのオシレーターがダイバージェンスをあらわすのもこの波。
※エリオット波動とフィボナッチ(
注2)
〇 5つの上昇波のうち「3つの推進波」の間違いとすごい点
ネットでよく「第1波~第5波を推進波といいます」と書かれていますが、これは間違いです。
正しくは「5つのうち1、3、5波の上昇している波を推進波という」です。
勘違いしやすいので、ここで覚えてしまいましょう。
(2、4波は修正波といいます)
そして、以下のように3つの推進波と「ダウ理論」が見事に一致するのです。
第1波:先行投資家が買い集めている。まだ本格的に上昇するかどうか一般投資家にはわからない。
第3波:良い材料が目立ってきて、多くの投資家が群がってくる。(だから長くなる)
第5波:上昇の最終局面。一般投資家が買う最後の場面で、チャートも出来高も急に上がるが、その後は下降トレンドが待っている。
管理人の前回の記事をもう一度ふりかえってみてください。
よりわかりやすいはずです。
エリオットさんが「ダウ理論」をリスペクトして作っただけありますね!
※過去記事「長期トレンドの法則」(
注3)
〇 3つの下降波をかんたんに解説
5つの上昇波の次には、3つの下降波が待っています。
それは、こんな意味を持っています。
A波:上昇トレンドの戻しと勘違いされやすい。
見分け方は、第5波のときのオシレータの動き、出来高の増加。
これがあればA波になった可能性が高い。
またこのA波は5つの波に細かく分かれてはじめてA波と呼ぶ条件が揃う。
B波:下降トレンドがすでにはじまっているので、その反発。
天井で買ってしまった人の最後の逃げ場。売りたい人は戻り売りのチャンス。
これがA波と同じくらいの高さになるとダブルトップになる。
C波:C波が形作られると間違いなく上昇トレンドが終わったことになる。
チャートの形は三尊天井になったりする。
テクニカル分析もすべて「下降トレンド」のシグナルを示す。
というわけで、「C波遅いじゃん」って感じですが、
「今ってC波だね」と気が付いていれば、
ハイローオーストラリアでもトレードの計画を立てるヒントになります。
※エリオット波動と相場サイクル(
注4)
〇 A波のみわけかた
特に難しいし、当てたいのが第1波とA波のはじまりです。
第1波は、その前に下降トレンドがあったなら
オシレータがダイバージェンスを示しているでしょうし、
波の始まりは出来高が増えるのでわかります。
怖いのがA波のスタート。
トレーダーの多くは、たとえ為替だとしても「買い」局面はなんだか嬉しいのです。
なので、
上昇が終わりA波に移行するときに高値掴みしてしまうという失敗をしやすくなります。
「エリオット波動論」では、
「A波が5つの波に細かく分かれたら、下降トレンドがはじまった」と確定します。
「なんのこっちゃ」ですよね。
これは、上の図のように
ひとつの波でもよく見るとジグザグと細かい波を作っていて、それが5まで数えられる
という意味です。
「これだけ上がったり下がったりして市場参加者が振り落とされたら、これはちゃんと下がるよね」
って感じです。
〇 「エリオット波動論」の基本まとめ
今回は、「エリオット波動論」の核の部分をご紹介しました。
A波の条件のように「ひとつの波の中に細かい波がいっぱいある」のは、当たり前なのですが、
それをキッチリ数えて分析したところがエリオットさんのすごいところです。
そして、「エリオット波動論」を難しそうに近づきがたくしている理由です。
ネットで検索するよりも、じっくり本で研究したい人もいるかもしれませんね。
「エリオット波動論」についてページを割いてしっかり解説している本で、
管理人が知っているのは
「先物市場のテクニカル分析」というものです。
きんざいという所が出していますが、値段も税込みで5,000円くらいするので、
どうしても読みたい方だけにおすすめしますね(;^_^A
ではまた。
------------------------------------------------------------------------------
※基礎編はどうでしたか?
「「エリオット波動」はなぜディスられる?欠点を知ればもっと使える!」
「【ティータイム】ダウ理論、エリオット波動、一目均衡表、難しそうな3種まとめ」
こちらは、エリオット波動について特集した記事一覧です!
------------------------------------------------------------------------------
■■■■脚注■■■■
(注1)エリオット波動(日本テクニカルアナリスト協会)
(注2)波動の活用によるカウンティング(日本テクニカルアナリスト協会)
(注3)ハイローオーストラリアにもおおいに関係ある!長期トレンドの法則
(注4)エリオット波動によるトレンド分析法(上昇5波、下降3波)(日本テクニカルアナリスト協会)