「ダウ理論」の基本法則が相場の本質をスッキリまとめている件

更新：2020年07月28日

こんにちは！

NTAA認定テクニカルアナリストの管理人です！

今回は「ダウ理論」です！

とっつきにくい名前ですが、相場を理解するときには、避けて通れない優秀な理論です！

ハイローオーストラリアで「上」「下」とすぐ決めてくれるものではないですが、

知っておいて損はありません！

第一回目は、ひとまず

「そうなんだ～。だいたいこんなことをやってるんだな」というところを目指しましょう。

目次

• ダウ・ジョーンズさんは、同じダウという名の「理論」と「指数」を作った
• 「ダウ理論」7つの基本法則
• チャールズ・ダウさんが最も大切だといっていたもの3つ
• 「ダウ理論」の欠点3つ
• ダウ平均とS&P500
• バイナリーオプションでは「ダウ理論」のチャートの見かたを知っておくと良い

〇　ダウ・ジョーンズさんは、同じダウという名の「理論」と「指数」を作った

英語では、「Dow Theory」というそうです。

今回、ここではまず教科書どおりの正しい基本を見ていきましょう。

それがしっかりわかっていれば、他の必勝法を見るときにも理解しやすいはずです。

さて、ダウ理論を作ったのは、チャールズ・ダウさん。

「ダウ工業株30種平均」（ニューヨークダウ）というとても大切な株価指数を作ったのもこの人です。

前回書いたように、「相場の波」「景気の波」をとらえるために考えたものです。

ちょっとややこしいのは、「ダウ理論」は相場ってどんなものなのかをまとめた理論なのに対し、

「ダウ工業株30種平均」は、その理論から作った「指数」であることです。

根っこの考え方は同じです。


※株価指数とは（注1）

〇　「ダウ理論」7つの基本法則

で、「理論」のほうは、基本法則というのがまとめられています。

「ダウ理論」は、株価を分析するために作られました。

（FX、バイナリーオプションでも理屈は同じです）

意味がわかりにくいものもありますが、こうなっています。


（1）平均株価（平均価格）はあらゆるものを織り込んでいる
（2）トレンドには3種類ある（期間でわかれていて、長期、中期、短期の3つ）
（3）長期トレンドには3段階ある（これは勢いのようなもので、始まり、ピーク、衰退の3つ）
（4）工業株と鉄道株を常に見比べなくてはならない（現代では時代に合わないので使われません）
（5）ボックス圏（ラインとよぶ）というものがある（そこから上下に離れれば、トレンドができる）
（6）トレンドは出来高でも確認される（トレンドがあっても出来高が増えなければ、続かない）
（7）トレンドは転換の明白なシグナルが出るまで継続する


この「ダウ理論」が発表されたのは、1884年だそうです。

よくこれだけ整理できるもんだな～と感心します。


※ダウ理論とRSI（注2）

〇　チャールズ・ダウさんが最も大切だといっていたもの3つ

7つの基本法則を伝えるときに、特に大切だといっていたものがあります。


・平均価格
・終値
・出来高


出来高は平均価格の次に大切だったようで、

この2つは組み合わせて考えないと、

本当に資金が集まって価格が上がっているのかどうかわかりません。

また、終値はそれまでの間の市場参加者のすべての行動が集約しているので、大切です。

これは、結局「相場の波」を掴むために見るべきポイントになっています。


※FXの終値は？（注3）

〇　「ダウ理論」の欠点3つ

「ダウ理論」は、株式投資家にとっては、雑多な銘柄を平均してわかりやすくし、

相場の波を分類して作戦を立てやすくしてくれました。

しかし、欠点もあります。

「嘘だ」「効かない」「勝てない」という意見が出るのは、

最初から欠点を知らないからかもしれません。


・転換シグナルが出てからでは遅い
・中期、短期のトレードに向かない
・平均株価を予想しても仕方がない


「ダウ理論」の転換シグナルは、移動平均線のゴールデンクロスのようなもので、

出るのがほんとに遅いです。

FXで経験のある人も多いと思いますが、ゴールデンクロスを待ってから買っても、

その頃にはすでに反対に動き始めているというのは、よくあることです。

ですから、特に短期のトレードには全く向きません。

バイナリーオプションではこれだけで攻略するのは無理でしょう。

最後の「平均株価」ですが、

最近は「ダウ工業株30種平均」が指数という金融商品になって取引されるようになっています。

つまり、「平均価格」を直接取引できるようになったのです。

ですから「ダウ理論」を使っておおいに予想すればいいと思います。


※ゴールデンクロスとは（注4）

〇　ダウ平均とS&P500

ダウ平均とは、「ダウ工業株30種平均」のことで、

今だと毎朝終値が発表される「ニューヨークダウ」と同じです。

アメリカの主要な株を集めて平均価格を出したものです。

ただし、チャールズ・ダウさんが作った時代とは組み入れられている銘柄も違っています。

平均価格はとても大切ですが、ひとつだけ高額な株が入っていると数値が偏ってしまいますね。

それを修正して500銘柄を組み入れたのがS&P500です。

（S&Pは、スタンダード＆プアーズという会社）

どちらも、日本の株式相場やドル／円にとって重要ですね。


※S&P500種（ロイター）（注5）

〇　バイナリーオプションでは「ダウ理論」のチャートの見かたを知っておくと良い

最後に、バイナリーオプションで「ダウ理論」が使えるのかどうか、ということです。

「欠点」のところで見たように、短期取引で使えないのですが、

「ダウ理論」はチャートを読むための基本が詰まっているので、知っておくと便利です。

特に「トレンドは転換の明白なシグナルが出るまで継続する」なら、

どれが明白なシグナルなのか知っておけば失敗トレードを減らす可能性があります。

それはまた次回以降で。ありがとうございました(^^)/

-------------------------------------------------------------------------------------
※ダウ理論については、特集をしています。

『ハイローオーストラリアにもおおいに関係ある！長期トレンドの法則』

『【ティータイム】ダウ理論、エリオット波動、一目均衡表、難しそうな3種まとめ』

『間違えると大失敗！「ダウ理論」の「明白で現実的な転換シグナル」』

『遅くても良い？「ダウ理論」の欠点、転換シグナルでハイローを攻略』

『「ダウ理論」でいう「ボックス圏」はレンジ相場のことですが、使い方は？』

ゆっくり読んでくださいね。
-------------------------------------------------------------------------------------

■■■■脚注■■■■

（注1）株価指数　（かぶかしすう）（SMBC日興証券）
（注2）第11回 ダウ理論&RCI（外為オンライン）
（注3）終値とはどの時点の価格を指しますか？（マネーパートナーズ）
（注4）ゴールデン・クロスとデッド・クロス（日本証券業協会）
（注5）S&P500種（ロイター）